「やりたいこと」と「検索ワード」の間にある溝

Excelを使っていて、こんな経験はありませんか?

  • 表の中で条件に合うデータだけ色を変えたい → でも何て検索すればいいかわからない
  • 同じ形式のメールを100人に名前だけ変えて送りたい → 機能名が出てこない
  • セルに入力した瞬間に別のセルが自動計算されるようにしたい → 「自動計算 Excel」で検索しても違う情報ばかり

やりたいことは明確なのに、正しい検索ワードがわからない。

これ、事務職の「あるある」ですよね。

「Excel 色 条件」で検索しても、求めていた情報にたどり着くまでに30分かかった——なんて経験、わたしだけじゃないはずです。

実はこの問題、AIに聞くだけで一瞬で解決します。

AIは「やりたいこと」をそのまま受け取ってくれる

Google検索は「正しいキーワード」を入れないと答えにたどり着けません。でもAIチャットは違います。

「こういうことがしたいんだけど」と話し言葉で伝えるだけでOK。

たとえばこんなふうに聞いてみてください。

プロンプト例: Excelで、売上が10万円以上のセルだけ自動的に赤色にしたいです。毎回手で色を塗るのが面倒なので、データを入力したら勝手に色が変わるようにしたいです。やり方を教えてください。

するとAIはこう答えてくれます。

それは 「条件付き書式」 という機能で実現できます。手順は以下のとおりです。

  1. 色を変えたいセル範囲を選択する
  2. 「ホーム」タブ →「条件付き書式」→「新しいルール」をクリック
  3. 「指定の値を含むセルだけを書式設定」を選ぶ
  4. 条件を「セルの値」「次の値以上」「100000」に設定する
  5. 「書式」ボタンで赤色を選んで「OK」

「条件付き書式」——これが知りたかった検索ワードです。機能名さえわかれば、あとは公式ヘルプでも調べられるし、応用もできます。

こんな場面で特に使える

場面1:Wordで「差し込み印刷」にたどり着く

やりたいこと: 同じ文面のお知らせ文書を50人分作りたい。名前と住所だけ変えたい。

普通に検索すると「Word テンプレート」「Word 宛名」などを試して迷子になりがちです。

プロンプト例: Wordで同じ文面の手紙を50人に送りたいです。名前と住所だけ変えたいんですが、一通ずつ手で直すのは大変です。Excelに名簿があるので、そこからデータを使えると助かります。

AIの回答で 「差し込み印刷(メールマージ)」 という機能名を教えてもらえます。さらに、Excelの名簿との連携方法まで手順付きで説明してくれます。

場面2:Excelで「VLOOKUP」にたどり着く

やりたいこと: 商品コードを入力したら、別の表から商品名と価格を自動で引っ張ってきたい。

プロンプト例: Excelで、A列に商品コードを入力したら、別のシートにある商品マスタから商品名と価格が自動的に表示されるようにしたいです。

AIは 「VLOOKUP関数」 や、より新しい 「XLOOKUP関数」 を教えてくれます。しかもどちらを使うべきかの判断基準まで説明してくれることも多いです。

場面3:PowerPointで「スライドマスター」にたどり着く

やりたいこと: すべてのスライドのフォントと背景色を一括で変えたい。1枚ずつ直すのはつらい。

プロンプト例: PowerPointで全スライドのフォントを一気に変えたいです。30枚あるので1枚ずつは無理です。

「スライドマスター」 という機能名が返ってきます。存在すら知らなかった機能に出会えるのが、AI検索の醍醐味です。

うまく聞くための3つのコツ

1. 「今どうやっているか」も伝える

「今は手作業でやっている」「コピペで対応している」 など、現在の方法を書くと、AIがそこからの改善策をピンポイントで出してくれます。

Excelで毎月、先月のシートから今月のシートにデータをコピペしています。もっと楽な方法はありますか?

こう聞くと「シート間参照」や「テンプレートシートの活用」など、コピペを卒業する方法を教えてくれます。

2. バージョンを伝える

Office 2019とMicrosoft 365では使える機能が違います。「Excel 2019を使っています」 と一言添えるだけで、自分の環境で実際に使える方法を教えてもらえます。

3. 「他にもっと良い方法はありますか?」と追加で聞く

最初の回答で満足せず、もう一歩踏み込んでみましょう。

教えてもらった方法でできそうです。ちなみに、同じことをもっと簡単にやる方法や、便利なショートカットキーがあれば教えてください。

意外ともっとラクな方法が出てくることがあります。「実はCtrl+Eの『フラッシュフィル』で一発です」みたいな発見があると、ちょっと感動します。

注意すること

手順はバージョンで変わることがある

AIが教えてくれるメニューの場所やボタンの名前が、自分のバージョンと微妙に違うことがあります。うまくいかないときは**「Excel 2019ではこのメニューが見つかりません」**と伝えると、修正した手順を出してくれます。

社内データはそのまま貼り付けない

操作方法を聞くだけなら問題ありませんが、実際のデータを貼り付けて「この表を直して」と頼むのは注意が必要です。機密データや個人情報を含む場合は、ダミーデータに置き換えてから質問しましょう。

まとめ

ExcelやWordで「やりたいことはあるけど、検索ワードがわからない」ときは、AIに話しかけてみてください。

あなたの困りごとAIが教えてくれること
条件に合うセルに色をつけたい→「条件付き書式」
名前だけ変えた文書を大量に作りたい→「差し込み印刷」
コードから名前を自動で引っ張りたい→「VLOOKUP / XLOOKUP」
全スライドのフォントを一括変更したい→「スライドマスター」

正しい検索ワードを知っているかどうかで、仕事のスピードは大きく変わります。

「こういうことがしたい」をそのままAIに伝えるだけ。たった10秒で、30分のGoogle検索迷子から解放されます。次にExcelで「これ何て調べればいいの?」と思ったら、まずAIに聞いてみてください。