「おめでとうございます」の続きが書けない問題

同僚から結婚の報告。上司のお子さんが生まれた。先輩が入院した——。

こういうとき、メッセージカードや社内チャットでひと言添えたいのに、「おめでとうございます」の先が出てこない

「失礼にならないかな」「距離感おかしくないかな」「テンプレっぽくないかな」と考えているうちに時間だけが過ぎて、結局タイミングを逃してしまう。お見舞いの場合はさらに難しい。言葉選びを間違えたくないプレッシャーで、余計に手が止まる。

実はこれ、事務職あるあるだ。総務や庶務の担当になると、部署を代表してメッセージをまとめる係を任されることも多い。

そんなとき、AIに下書きを作ってもらったら、驚くほどスムーズに書けるようになった。

なぜお祝い・お見舞いメッセージは難しいのか

普段のビジネスメールと違って、こういうメッセージには正解がないのがつらいところ。

  • 距離感の調整が難しい:親しい同僚と、あまり話したことのない他部署の方では、トーンがまるで違う
  • マナーが気になる:忌み言葉や重ね言葉など、知らずに使ってしまうのが怖い
  • 気持ちを込めたいけど言葉が出ない:定型文は味気ないし、かといってオリジナルの表現が浮かばない

つまり、「失礼のなさ」と「温かみ」の両立が求められる。冷静に考えると、これってかなり難しいことをやろうとしている。

AIへの頼み方:3つのコツ

AIにお祝いメッセージを頼むときは、状況をちゃんと伝えるのがポイント。

コツ1:関係性と場面を具体的に書く

悪い例:

結婚祝いのメッセージを書いて

良い例:

同じ部署で3年一緒に働いている同僚(30代女性)が結婚します。社内チャットで送るお祝いメッセージを、親しみがありつつ丁寧なトーンで150文字程度で作ってください。

関係性・送る手段・文字数・トーンを伝えるだけで、出力の質がまるで変わる。

コツ2:「使ってほしくない表現」を指定する

お見舞いメッセージの場合は特に大事。

入院中の上司へのお見舞いメッセージを書いてください。「重ね重ね」「たびたび」などの重ね言葉、「終わる」「消える」などの忌み言葉は避けてください。回復を急かすような表現もNGです。

AIは忌み言葉をある程度知っているが、念のため自分でも指定しておくと安心感が違う。

コツ3:複数パターン出してもらう

以下の3パターンで作ってください。 ①フォーマル寄り(寄せ書きの色紙向け) ②カジュアル寄り(社内Slack向け) ③ひと言だけ(LINEやチャット向け)

パターンをもらって「いいとこ取り」するのが一番ラクだ。

実際にやってみた:出産祝いメッセージ

試しにAI(ChatGPTやClaudeなど、どれでもOK)にこんなプロンプトを入力してみた。

同じチームの後輩(20代男性)に第一子が生まれました。社内の寄せ書きに書くお祝いメッセージを、温かくて堅すぎないトーンで100文字程度でお願いします。

出力例:

第一子のご誕生、本当におめでとうございます!これから楽しいことがたくさん待っていますね。仕事のことは気にせず、今は家族との時間をたっぷり楽しんでください。チーム一同応援しています!

そのまま使えるレベルだ。自分の言葉を少し混ぜて(たとえば「○○くんならきっと素敵なパパだね」など)仕上げれば、テンプレ感もなくなる。

お見舞いメッセージも頼める

お見舞いは言葉選びのハードルがさらに高い。ここでもAIが頼りになる。

他部署の課長(50代男性、面識はあるが深い付き合いではない)が手術で入院中です。部署としてお見舞いカードを送ります。丁寧で温かいメッセージを100文字程度で作ってください。重ね言葉・忌み言葉は避けてください。

出力例:

ご入院中のところ、心よりお見舞い申し上げます。○○課長の一日も早いご回復を、部署一同お祈りしております。どうかご無理なさらず、ゆっくりとお身体を休めてください。

丁寧だけど冷たくない、ちょうどいいバランスのメッセージが出てきた。

こんな場面にも使える

お祝い・お見舞い以外にも、同じテクニックが使える場面は多い。

場面プロンプトのポイント
退職者への寄せ書き在籍年数・一緒に働いた思い出を伝える
異動の挨拶メッセージ送る側か送られる側かを明記する
昇進のお祝い相手との関係性(部下→上司など)を指定
弔事のメッセージ忌み言葉の除外を必ず指定する
季節の挨拶(暑中見舞いなど)送る時期と社内/社外を明記する

やってはいけないこと

便利だからこそ、注意点もある。

  1. AIの出力をそのまま送らない:少しでいいから自分の言葉を混ぜる。「あなたらしさ」が入ることで初めてメッセージになる
  2. AIに頼んだことを言わない:「AIに書いてもらった」と伝えると、相手はがっかりする。下書きはあくまで裏方
  3. 事実確認を忘れない:お子さんの名前や入院理由など、間違った情報が含まれていないか必ずチェックする

まとめ:AIは「気持ちの通訳」になる

お祝いやお見舞いのメッセージが書けないのは、気持ちがないからじゃない。気持ちはあるのに、それを言葉にする回路が詰まっているだけだ。

AIは、その詰まりを解消してくれる「気持ちの通訳」のようなもの。完璧な文章を出してくれるわけではないけれど、「こういう方向性で書けばいいんだ」という道筋を見せてくれる。

あとは自分の気持ちをちょっと足すだけ。それだけで、タイミングを逃さず、失礼のない、温かいメッセージが送れるようになる。

次に社内でお祝いごとがあったら、ぜひ試してみてほしい。