「あの手順、知ってるの○○さんだけ問題」

「経費精算のやり方、○○さんに聞いて」 「複合機のスキャン設定、△△さんが詳しいよ」 「このExcelの集計ファイル、作った人が異動しちゃって誰も分からない」

職場でこういう場面、ありませんか?

いわゆる**「属人化」**というやつです。特定の人しか知らないノウハウが口伝えで回っていて、その人が休んだり異動したりすると途端に困る。「社内Wikiに書いておこうよ」と言われるけど、書くのが面倒で誰も手をつけない

わたしもずっとそうでした。でもAIに手伝ってもらうようになってから、1つの手順書を30分以内で書けるようになったんです。

なぜ社内Wikiの記事は書かれないのか

Wikiに手順を残すこと自体はみんな大事だと分かっている。それなのに書かれない理由は3つあります。

  1. 構成が決まらない:何から書き始めればいいか分からず、白紙の画面の前で固まる
  2. 「どこまで書くか」の加減が難しい:詳しく書きすぎると長くなるし、省略しすぎると結局口頭で補足が必要になる
  3. 文章にまとめる時間がない:普段の業務の合間に書こうとすると、いつも後回しになる

つまり、やり方は頭にあるのに、ドキュメントとして整える部分がボトルネックになっています。ここをAIに任せましょう。

ステップ1:箇条書きメモをAIに渡す

まず、手順を完璧に書こうとしなくてOKです。自分がやっている手順を箇条書きでメモするだけ。

たとえば経費精算の手順なら、こんな感じ。

・経費精算システムにログイン
・新規申請を押す
・日付と金額を入れる
・領収書の写真を撮ってアップロード
・勘定科目を選ぶ(交通費なら旅費交通費)
・上長を選んで申請ボタン
・承認されたら経理が処理してくれる

この箇条書きをAIに渡して、こう頼みます。

プロンプト例: 以下は社内の経費精算の手順メモです。これをもとに、新入社員でも迷わず操作できる社内Wiki用の手順書を作成してください。

  • 見出しと番号付きの手順で構成してください
  • 初めて操作する人がつまずきそうなポイントに補足を入れてください
  • 300〜500文字程度でコンパクトにまとめてください

すると、AIが見出し・番号付き手順・注意点を含む読みやすい記事の下書きを作ってくれます。

ステップ2:「よくある質問」も一緒に作ってもらう

手順書を書いたあとに必ず起きるのが、「ここ、どういう意味?」という質問です。これもAIに先回りして作ってもらいましょう。

プロンプト例: 上記の手順書を読んだ新入社員が疑問に思いそうなことを5つ挙げて、それぞれ簡潔に回答してください。

AIはたとえばこんなQ&Aを出してくれます。

  • Q. 領収書を紛失した場合はどうする? → A. 出金伝票で代用可能。上長の承認印が必要です
  • Q. 交通費のICカード利用分も申請が必要? → A. 月末にまとめて申請してください。利用履歴の印刷を添付します
  • Q. 承認者が出張中で不在のときは? → A. 代理承認者を選択できます。総務部に確認してください

自分では当たり前だと思っていることも、初めての人には分からないもの。AIは「初心者目線」で質問を洗い出すのが上手なので、抜け漏れのない記事に仕上がります。

ステップ3:既存のWiki記事をリライトしてもらう

新しく書くだけでなく、すでにあるけど分かりにくいWiki記事の改善にもAIは使えます。

プロンプト例: 以下は社内Wikiにある複合機の使い方の記事です。内容は正しいのですが、文章が長くて読みにくいと言われています。以下の方針でリライトしてください。

  • 1つの手順を1〜2行に収める
  • 専門用語には()で簡単な説明を添える
  • 「やりがちな失敗」を1つ追加する

古い記事って、書いた人の説明が丁寧すぎて読む気が失せるほど長いことがありますよね。AIにリライトを頼めば、要点はそのままに読みやすさだけを改善できます。

やってみて感じた3つのメリット

1. 「書き出す」ハードルが激減する

一番大きかったのがこれ。箇条書きメモさえ用意すれば、あとはAIが整えてくれる。白紙の画面で悩む時間がゼロになりました。

2. 「読む側」の視点が入る

自分で書くとどうしても書く側の論理で構成してしまいますが、AIは「初めて読む人が理解できるか」を意識した書き方をしてくれます。結果として、質問される回数が減りました。

3. ナレッジが溜まるスピードが上がる

1本30分で書けるようになったおかげで、週に2〜3本のペースでWiki記事を追加できるようになりました。半年後には**「あの手順どこ?」→「Wikiに書いてあるよ」**と即答できる職場になっているはずです。

注意点:社内情報の取り扱いに気をつけよう

社内の手順や業務情報をAIに入力するときは、会社のAI利用ルールを必ず確認してください。

  • 顧客の個人情報や機密情報は入力しない
  • 会社で承認されたAIツールを使う(ChatGPT Team、Azure OpenAIなど)
  • 不安なときは情報システム部門に相談する

手順書の内容は社外秘の場合が多いので、外部に漏れないよう注意しましょう。ルールさえ守れば、AIは最強のWikiライティングパートナーです。

まとめ

社内Wikiに手順を残すのが大事なのは分かっているけど、書くのが面倒で後回し──そんな悩みはAIで解消できます。

やることは3つだけ。

  1. 手順を箇条書きでメモする
  2. AIに「Wiki用の手順書にして」と頼む
  3. 出力を確認して、社内Wikiに貼る

完璧な文章を書こうとしなくて大丈夫。60点の下書きをAIに作ってもらって、自分の知識で80点に仕上げる。このやり方なら、忙しい業務の合間でも手順書が書けます。まずは「一番よく聞かれる質問」の手順を、今日AIに下書きしてもらってみてください。