送付状、地味にめんどくさい問題

契約書を送るとき、見積書を郵送するとき、資料をFAXするとき。

ビジネスの世界では「書類だけポンと送る」のはマナー違反とされていて、必ず送付状(カバーレター)を一枚つけるのがお作法になっている。

でも正直、この送付状を作る作業が地味にめんどくさい

「前に作ったテンプレどこだっけ……」とフォルダを探し回り、見つけたら見つけたで宛先を書き換えて、日付を直して、同封書類の名前と部数を修正して、一言コメントを考えて——。

やっていること自体は単純なのに、毎回5〜10分くらい取られる。しかも微妙に書き方を間違えると「この人、ビジネスマナー大丈夫かな?」と思われるリスクもある。

そこでAIの出番である。

AIに送付状を頼むメリット

送付状の作成は、実はAIがめちゃくちゃ得意なタイプの仕事だ。理由はシンプルで、フォーマットがほぼ決まっているから。

送付状に必要な要素は毎回ほとんど同じ。

  1. 日付
  2. 宛先(会社名・部署名・担当者名)
  3. 差出人(自分の会社名・部署名・名前・連絡先)
  4. 件名(「書類送付のご案内」など)
  5. 本文(挨拶+送付の趣旨+一言)
  6. 同封書類の一覧(書類名と部数)
  7. 「以上」

この「型」が決まっているものは、AIに情報を渡すだけでほぼ完成形が出てくる。自分で考える必要があるのは「何を送るか」と「一言添えたいことがあるか」だけだ。

実際のプロンプト例

私が普段使っているプロンプトはこんな感じ。

以下の情報をもとに、ビジネス用の送付状を作成してください。

【宛先】株式会社山田商事 営業部 佐藤様
【差出人】株式会社ABC企画 総務部 鈴木花子(TEL: 03-1234-5678)
【同封書類】
・御見積書 1部
・会社案内パンフレット 2部
【一言】先日のお打ち合わせのお礼と、ご依頼いただいた見積書をお送りする旨
【形式】縦書き風のビジネス送付状(横書きでOK)

これだけ入力すれば、AIが時候の挨拶から「記」の書式まで含めた送付状を出力してくれる。

AIが出してくれる送付状の例

上のプロンプトを投げると、こんな感じの送付状が返ってくる。

                                    2026年4月5日

株式会社山田商事
営業部 佐藤様

                                株式会社ABC企画
                                総務部 鈴木花子
                                TEL: 03-1234-5678

        書類送付のご案内

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。

先日はお忙しい中お打ち合わせのお時間をいただき、
誠にありがとうございました。
ご依頼いただきました見積書を同封いたしますので、
ご査収のほどよろしくお願い申し上げます。

ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

                                            敬具

            記

 1. 御見積書          1部
 2. 会社案内パンフレット  2部

                                            以上

時候の挨拶も敬語も「記」の書式も、全部AIが整えてくれる。 自分がやったのはプロンプトに情報を入れただけ。これで5分が30秒になる。

もっと便利に使うコツ3つ

コツ1:よく使うパターンを「テンプレプロンプト」にしておく

送付状のプロンプトは毎回ほとんど同じ構造なので、テンプレを作っておいて宛先と同封書類だけ差し替えるのが最強。メモ帳やNotionに保存しておけば、コピペして数カ所書き換えるだけで済む。

コツ2:季節の挨拶を指定する

AIは時候の挨拶を自動で入れてくれるが、たまに季節感がズレることがある。気になる場合は「4月上旬にふさわしい時候の挨拶を使ってください」と一言添えるだけで精度が上がる。

コツ3:FAX送付状もいける

郵送だけでなく、FAX送付状も同じ要領で作れる。プロンプトに「FAX送付状として作成してください。送信先FAX番号は03-9876-5432、送信枚数は本状含め3枚です」と追加するだけでOK。

ChatGPT・Claude・Copilotで比べてみた

3つのAIに同じプロンプトを投げてみた結果をまとめると——

ChatGPT(GPT-4o)

安定感がある。時候の挨拶のバリエーションが豊富で、「記」の書式もきれいに整う。初めて送付状を作る人にも使いやすい。

Claude

敬語の自然さが光る。「拝啓〜敬具」の流れが滑らかで、かしこまりすぎない丁寧さが好印象。一言コメントの反映も的確。

Microsoft Copilot

Wordとの連携が便利。Copilot in Wordを使えば、Word上で直接送付状を生成してそのまま印刷できるので、最終的な出力がWordの人にはベストな選択肢

どれを使っても十分実用的なので、普段使い慣れているAIで問題ない。

やりがちな失敗と対処法

「宛先の敬称がおかしい」

AIが「株式会社山田商事 佐藤部長様」のように役職+様にしてしまうことがある。正しくは「佐藤部長」(役職で止める)か「佐藤様」(様で止める)のどちらか。気になる場合はプロンプトに「役職と様は併用しないでください」と書いておこう。

「同封書類の表記がバラバラ」

「1通」「1部」「1枚」の使い分けがAIによって揺れることがある。会社で統一ルールがあるなら、プロンプトに「部数の単位は"部"で統一してください」と入れておけば安心。

「挨拶が長すぎる」

AIは丁寧にしようとして挨拶パートが長くなりがち。「本文は簡潔に、3〜4行程度でまとめてください」と指定するとスッキリ仕上がる。

まとめ:送付状こそAIにまかせよう

送付状は**「型が決まっていて」「内容はシンプルで」「でも間違えると恥ずかしい」**という、AIに最適な仕事だ。

毎回テンプレを探してチマチマ直す時間がなくなるだけで、月に何十分かの時間が浮く。浮いた時間で一息ついてもいいし、もっと頭を使う仕事に回してもいい。

まずは次に書類を送るとき、試しに一回AIに送付状を頼んでみてほしい。「なんで今までこれを手で書いてたんだろう」と思うはずだ。