「この資料、読んでおいて」が地味につらい

上司から「この資料、明日の会議までに目を通しておいて」と言われて、開いてみたら10ページ超のPDF

内容は分かる。日本語だし、専門用語もそこまで多くない。でも、長い。全部読むのに20〜30分はかかる。しかも「要点だけ押さえておけばいい」と言われても、どこが要点なのか分からないから結局全部読むことになる。

こういう場面、事務職をやっていると週に何回もある。社内規程の改定資料、取引先からの提案書、研修のレポート……。読む量が多すぎて、本来の業務が後回しになることもあった。

ある日、「AIに要約させればいいのでは?」と気づいてから、資料を読む時間が劇的に減った。

AIに要約を頼むとどうなるか

やり方はとてもシンプル。AIチャットに資料のテキストを貼り付けて、こう頼む。

「以下の文章を、忙しい事務職が1分で把握できるように3〜5つの箇条書きで要約してください。」

これだけで、長い資料のエッセンスが一瞬で出てくる。

たとえば、社内の経費精算ルール改定資料(原文2,000字くらい)を要約してもらうとこうなる。

原文(一部抜粋)

2026年4月1日より、経費精算に関する社内規程を以下のとおり改定いたします。
従来は領収書の原本提出を必須としておりましたが、今後は電子データ
(スキャン画像・スマートフォンで撮影した写真)での提出も可能となります。
ただし、5万円以上の経費については引き続き原本の提出が必要です。
また、申請期限をこれまでの翌月末から翌月15日に変更いたします。
なお、交通費の精算については、ICカードの利用履歴データを直接アップロード
できる新機能を経費精算システムに追加いたします。(以下、詳細な運用手順が続く……)

AIの要約結果

【経費精算ルール改定のポイント】
・領収書は電子データ(スキャン・写真)での提出がOKに。ただし5万円以上は原本が必要
・申請期限が「翌月末」→「翌月15日」に前倒し
・交通費はICカード履歴を直接アップロードできる新機能が追加
・2026年4月1日から適用開始

30分かけて読んでいた資料が、ものの10秒で要点だけ分かる。

もう少し高度な使い方

1. 「誰向けか」を指定する

要約のクオリティを上げるコツは、読む人を指定すること。

  • 「経理担当者が確認すべきポイントに絞って要約して」
  • 「部長への報告用に、意思決定に必要な情報だけまとめて」
  • 「新入社員でも分かるように、専門用語を避けて要約して」

同じ資料でも、読む人によって必要な情報は違う。これを伝えるだけで、的確な要約が返ってくる。

2. 比較表を作ってもらう

2つの資料を比べたいとき、両方のテキストを貼り付けて「変更点を表形式で整理してください」と頼むと、差分が一目で分かる表が出てくる。

「以下のAとBの文章を比較して、変更された点を表にまとめてください。」
項目変更前変更後
領収書原本提出のみ電子データもOK
申請期限翌月末翌月15日
交通費手入力ICカード履歴アップロード

規程改定や契約更新のときに、この使い方はかなり便利。

3. 要約の粒度を調整する

「3行でまとめて」と「詳しめに10項目でまとめて」では、出てくる要約がまったく違う。

  • ざっくり知りたいとき:「3行で要約して」「一言で言うと何か教えて」
  • しっかり把握したいとき:「重要な点を10個の箇条書きで」「章ごとに要点をまとめて」
  • あとで人に説明するとき:「この内容を同僚に2分で説明するためのメモを作って」

自分の目的に合わせて頼み方を変えるだけで、要約の使い勝手がぐんと上がる。

ChatGPT・Claude・Copilotの使い分け

それぞれのAIツールで、要約の得意分野が少し違う。

  • ChatGPT:バランスが良い。長めの文章でもきれいに構造化してくれる
  • Claude:長文の処理が得意。数十ページの資料をまとめて貼り付けても安定して要約してくれる
  • Copilot:Wordと連携できるので、Word文書の要約ならそのままアプリ内で完結する

迷ったらどれを使っても大丈夫。まずは手元にあるAIツールで試してみるのが一番。

注意すること

  • 社外秘・個人情報を含む資料は、会社が許可したAIツールで扱う。無料版のAIに機密情報を貼り付けるのは避ける
  • 要約はあくまで「把握用」。契約書や規程の正式な解釈は、必ず原文で確認する
  • 数字の正確さはチェックする。AIが金額や日付を丸めたり、微妙に変えたりすることがある
  • 要約だけで判断しない。気になる部分があれば原文に戻って読む習慣をつける

まとめ

AIに資料の要約を頼むと、こう変わる。

BeforeAfter
10ページの資料20〜30分3〜5分
要点の把握全文読んで探す箇条書きで即把握
資料の比較2つ並べて目視表で一発整理

「全部読まなきゃ」と思い込んでいた自分に教えてあげたい。まず要約を読んで、必要な部分だけ原文に戻ればいい。

明日届く長い資料、まずはAIに「3行でまとめて」と頼んでみてください。退勤時間が少し早くなるかもしれません。