100個のファイルから「先週の見積書」を探せなかった朝
ある月曜日の朝、上司に「先週の見積書、すぐ送って」と言われて焦った。
デスクトップにはファイルが100個以上散らばっている。「見積書_最終.xlsx」「見積書_最終_修正.xlsx」「見積書_最終_修正2_田中確認済.xlsx」……どれが本物かわからない。共有フォルダの中も似たような状況で、結局探すのに20分かかった。
「このままじゃまずい、整理しなきゃ」と思いつつ、どこから手をつけていいかわからない。そこで、最近よく使っているAIチャットに相談してみることにした。
後回しになる理由は「正解がわからない」から
ファイル整理が進まない理由は、「正解がわからない」からだと思う。
フォルダをどう分ければいいのか。日付順?案件順?種類別?どれも一長一短で、考えているうちに面倒になって「とりあえずデスクトップに保存」が続く。
さらに、ファイル名のつけ方も人によってバラバラ。自分ひとりのルールすら統一できていないのに、チーム全体で揃えるなんて夢のまた夢。
AIが役立つのは、まさにこの**「ルールを考える」部分**。自分の業務内容を伝えれば、それに合った整理方法を提案してくれる。
職種と扱うファイルを伝えて、丸ごと相談する
AIチャットに、こう送るだけ。
「私は営業事務をしています。扱うファイルは見積書、請求書、契約書、社内報告書、会議資料が中心です。デスクトップがファイルだらけで困っています。フォルダ構成とファイル命名ルールを提案してください。」
ポイントは3つ。
- 自分の職種・業務内容を伝える(的はずれな提案を防ぐ)
- よく扱うファイルの種類を列挙する(具体的なフォルダ名を出してもらえる)
- 困っていることを素直に書く(「ファイルが見つからない」「名前がバラバラ」など)
この3つを渡すのが、業務に合った提案を引き出すコツだ。さらに現状のデスクトップのファイル名をざっと書き出して一緒に貼ると、「この人はこういう種類のファイルを多く扱うんだな」とAIが判断して、提案の精度がぐっと上がる。
AIが提案してくれた整理ルール
たとえばChatGPTに聞いたところ、こんな提案が返ってきた(要約)。
フォルダ構成
仕事フォルダ/
├── 01_見積書/
├── 02_請求書/
├── 03_契約書/
├── 04_社内報告書/
├── 05_会議資料/
├── 06_テンプレート/
└── 99_一時保存/
番号をつけることでフォルダが勝手に並び替わらないのがポイント。「99_一時保存」は、すぐに分類できないファイルの一時置き場として使う。
ファイル命名ルール
日付_種類_相手先_内容.拡張子
例:20260401_見積書_山田商事_Webサイトリニューアル.xlsx
日付を先頭に置くことで、時系列に自動で並ぶ。「最終」「修正」は使わず、日付で管理するからどれが最新かすぐわかる。
Claudeに聞いたら少し違うアドバイスも出た
同じ質問をClaudeにもしてみた。フォルダ構成は似ていたが、追加でこんなアドバイスがあった。
- 月ごとにサブフォルダを切る(ファイル数が多い場合に有効)
- 「完了」フォルダを作る(終わった案件を移動して、進行中だけ見える状態にする)
- テンプレートフォルダを用意する(毎回ゼロから作るのをやめる)
人によって業務のスタイルが違うから、AIの提案も微妙に変わる。複数のAIに聞いて、自分に合う部分をつまみ食いするのがおすすめ。
1週間後、探す時間がほぼゼロになった
昼休みと退勤前の時間を使って、AIの提案どおりにフォルダを作り、デスクトップのファイルを移動した。正直、最初の仕分けは地味な作業だったけど、AIに「このファイル名だとどのフォルダに入れるべき?」と聞きながら進めたら、迷う時間がほぼゼロだった。
1週間後の変化はこうだった。
- ファイルを探す時間:平均5分 → ほぼ0分
- デスクトップのファイル数:100個以上 → 5個以下
- 「あのファイルどこ?」と聞かれた回数:3回 → 0回
地味だけど、毎日の小さなストレスが確実に減った。こうした「探す・迷う時間」を削る発想は、身近な業務改善のアイデアをAIに出してもらうときの入り口にもなる。
相談の精度を上げる、3つの伝え方
実際にやってみて気づいたコツをまとめておく。
チームで使うなら「チーム共有フォルダのルール」と明記する。 個人用と共有用では最適なルールが違う。「新人でもすぐ理解できるシンプルなルール」と補足すると、複雑すぎない提案が出てくる。ファイル名や置き場所が揃っていると、異動や退職のときに後任者への引き継ぎ資料をAIでまとめる作業も一気にラクになる。
一度にやりすぎない。 全部のフォルダを一気に整理しようとすると挫折する。まずはデスクトップだけ、まずは1種類のファイルだけ、と小さく始めるのが続くコツ。実際、「AIに相談すればすぐ終わるの?」とよく聞かれるが、一瞬で片付くのはルール作りの部分だけで、あとは提案どおりに手を動かす時間はどうしても要る。だからこそ、小さく始めて手を止めないほうが結局は早い。
命名ルールは「日付先頭」で揃える。 AIが提案してくれた「日付_種類_相手先_内容.拡張子」という形式は、日付を先頭に置くだけで時系列に自動で並び、「最終」「修正」を使わずに最新版が一目でわかる。これだけでも探す時間は大きく変わる。
ファイル整理に限らず、Copilotを日々の事務作業に落とし込む方法はCopilotを事務作業で使いこなすためのまとめに用途別で紹介している。
一番面倒な「ルール作り」はAIに任せてしまう
ファイル整理は「やらなきゃ」と思いつつ後回しにしがちな作業の代表格。でも、AIに相談すればルール作りという一番面倒な部分を一瞬で片付けてくれる。あとは提案どおりに手を動かすだけで、技術的な知識はまったく不要、AIチャットに話しかけるだけでできる。
たまった書類がPDFばかりで中身を開くのが億劫なときは、PDFをAIで要約・書き出しする方法と組み合わせると、整理しながら中身の把握まで進められる。
今日のデスクトップにファイルが10個以上あったら、まずはAIに「フォルダ構成を提案して」と聞いてみてほしい。10分後にはスッキリしたデスクトップが手に入るはずだ。