何が起きたか
総務から頼まれた。「来月の健康診断の案内文、作っておいてくれる?」
内容自体はシンプルなのに、いざ書き始めると意外と手が止まる。日時・場所・持ち物・注意事項を漏れなく入れつつ、読みやすくまとめるのが地味に難しい。過去のお知らせ文をコピペして日付だけ変えようとしたら、去年と会場が違うことに気づいて結局ほぼ全部書き直すことに。
こういう「ゼロから書くほどでもないけど、コピペでは済まない」文書、けっこう多い。
そこで、AIに下書きを作ってもらうことにした。
社内のお知らせ文が地味に面倒な理由
改めて考えてみると、社内連絡文で時間を食うのは情報の整理と構成だった。
伝えたいことは決まっている。でも「どの順番で書けば読みやすいか」「箇条書きにすべきか文章にすべきか」「どこまで丁寧に書くか」で迷ってしまう。
さらに厄介なのが、読み手のレベルがバラバラなこと。新入社員にも、ベテラン社員にも、同じ文面で伝わらなければいけない。結果、あれこれ悩んで30分以上かかることもある。
AIが得意なのはまさにこの「情報を構成する」部分。必要な情報を箇条書きで渡すだけで、読みやすい連絡文に仕上げてくれる。
やり方
AIチャットに、こんなふうに送る。
「以下の内容で社内向けのお知らせ文を作ってください。件名:定期健康診断のご案内。日時:5月15日(木)9:00〜17:00。場所:本社3階 会議室A。対象:全社員。持ち物:健康保険証、問診票(事前に記入)。注意事項:前日21時以降は食事を控えること。トーン:丁寧すぎず、親しみやすく。」
ポイントは4つ。
- 文書の種類を明示する(お知らせ、案内、依頼、報告など)
- 必要な情報を箇条書きで渡す(日時・場所・対象・持ち物など)
- トーンを指定する(堅め、カジュアル、親しみやすくなど)
- 読み手を意識した指示を加える(「新入社員にもわかるように」など)
これだけで、そのまま回覧できるレベルのお知らせ文が出てくる。
ChatGPT・Claude・Copilot で比較してみた
同じ依頼を3つのAIに投げて、出てきた文面を比べた。
ChatGPTの下書き
- 構成がきっちりしている。件名・本文・箇条書きが整理されて出てくる
- ビジネス文書の「型」に忠実で安定感がある
- 「お疲れ様です」から始まる王道パターン
- やや堅めの印象になることが多い
Claudeの下書き
- 文章が自然で読みやすい。「お堅い社内文書」感が薄い
- 必要に応じて補足説明を追加してくれる(例:「問診票は総務課で配布しています」など)
- 「こういう情報も追加しますか?」と提案してくれることがある
- 柔らかいトーンを指定したときの仕上がりが良い
Copilotの下書き
- Wordと連携させると、テンプレートに沿って直接文書を作れる
- Outlookで社内メールとして送る場合はそのまま使えて便利
- 出力の自由度はやや低めだが、Microsoft環境との相性は抜群
どれを使うべき?
- 堅めの公式文書 → ChatGPT が安定
- 読みやすさ重視の案内文 → Claude がおすすめ
- Officeツールでそのまま仕上げたい → Copilot が楽
正直、どれを使っても十分なクオリティ。大事なのは「自分で悩まず、まずAIに投げてみる」こと。
実際にやってみた結果
健康診断の案内文をClaudeに作ってもらい、少しだけ手直しして社内に回覧した。
翌日、先輩から「今回のお知らせ、いつもよりわかりやすいね」と言われた。AIが作ったとは言っていない。
調子に乗って、その後もいくつかの社内連絡文をAIで作成した。
- オフィス移転のお知らせ
- 年末年始の休業案内
- 社内イベントの参加募集
- 備品購入申請フローの変更連絡
どれも5分以内に下書きが完成した。以前は1本あたり20〜30分かかっていたので、4本書いても以前の1本分の時間で終わる計算になる。
もっと上手に使うコツ
何度かAIでお知らせ文を作ってみてわかったコツがある。
1. 過去の文書を参考として渡す
「前回のお知らせ文はこんな感じでした」と過去の文面を貼り付けると、社内のトーンや書式に合わせた文面を作ってくれる。会社ごとの「らしさ」を再現しやすい。
2. 「Q&Aも作って」と追加で頼む
お知らせ文と一緒に「想定される質問と回答も3つ作って」と頼むと、FAQ付きの案内文ができる。「この場合はどうなるの?」という問い合わせが減って、結果的に自分の仕事も楽になる。
3. 「小学生でもわかるように」と言ってみる
専門用語が多くなりがちな内容(システム変更のお知らせなど)は、あえて「小学生でもわかるように」と指定すると、驚くほどシンプルな文面になる。社内連絡は伝わってナンボなので、わかりやすさは正義。
注意すること
便利だけど、気をつけたいポイントもある。
- 日時・場所・金額などの事実情報は必ず自分で確認する。AIは渡した情報をもとに文章を組み立てるだけなので、元の情報が間違っていたらそのまま間違った文書ができる
- 社外秘の情報を外部AIにそのまま入力しない。社内ルールを確認して、機密情報の取り扱いには注意する
- 最終チェックは人間の目で。誤字脱字、敬称の間違い、日付のズレなど、AIでも見落とすことはある
まとめ
社内のお知らせ文は、AIとの相性がとても良い仕事のひとつ。
「伝えたい情報を箇条書きで渡して、読みやすい文章に整えてもらう」——これだけで、今まで30分かかっていた作業が5分で終わる。
しかも、自分で書くより読みやすい文面ができることも多い。悔しいけど事実だ。
まずは次の社内連絡で試してみてほしい。「お知らせ文、AIに書いてもらったんだけど」と同僚に言ったら、きっと「え、教えて!」と言われるはず。