4月、挨拶メールの嵐がやってくる
新年度が始まると、事務職にはメールの波が押し寄せる。
- 自分の異動・担当変更の挨拶
- 後任への引き継ぎ先への連絡
- 新しい取引先への着任挨拶
- 社内向けの年度初めの一斉メール
1通ずつ丁寧に書きたいけれど、宛先ごとに微妙にトーンを変えなきゃいけないのがしんどい。社外のお客様にはフォーマルに、社内の先輩にはちょっとだけカジュアルに、初めましての方には自己紹介を入れて……と考えるだけで午前中が溶ける。
「去年の自分のメールをコピペして日付だけ変えよう」と思ったけど、去年のメールが見つからない。
……あるある。
AIに挨拶メールの下書きを頼んでみた
3つのAIツールに同じお題を出してみた。
プロンプト例:
あなたは日本企業の事務職です。以下の条件で、取引先への担当変更の挨拶メールを書いてください。
- 前任:山田太郎
- 後任(自分):鈴木花子
- 取引先:ABC商事 佐藤様
- 引き継ぎ済みの案件:4月納品の販促物制作
- トーン:丁寧だけど堅すぎない
- 長さ:200〜300文字程度
ChatGPTの場合
テンプレート感のあるきれいなメールが出てきた。「お世話になっております」から始まり、「何卒よろしくお願い申し上げます」で締まる王道スタイル。そのまま送っても失礼にならない安定感がある。ただ、ちょっと教科書的で「自分の言葉」感は薄い。
Claudeの場合
少し柔らかいトーンで、「山田から佐藤様のことは伺っております」のような人間味のあるフレーズが入っていた。「堅すぎない」という指示をうまく拾ってくれた印象。ただ、やや長めに出てくるので、自分で削る作業は必要。
Copilotの場合
Wordと連携して使うと、書式も整った状態で出てくるのが便利。内容はChatGPTに近い堅めのトーンだけど、Outlookからそのまま送れる手軽さがある。
「気持ちがこもってる」と言われたコツ
AIの下書きをそのまま送ると、やっぱりどこかテンプレート感が出る。褒められたメールには、こんなひと手間を加えていた。
1. 具体的なエピソードを1文だけ足す
「山田から引き継ぎを受けた際、佐藤様がいつも丁寧にご対応くださると聞いております」のように、相手に関する具体的な一言を入れる。AIは汎用的な文章は得意だけど、「この人だけに向けた言葉」は自分で足す必要がある。
2. 自分の言葉でひとこと意気込みを書く
「至らない点もあるかと思いますが、丁寧な対応を心がけてまいります」みたいな定型文ではなく、「販促物の制作、楽しみにしています」のような自分の気持ちが見える一言に差し替える。これだけで印象がかなり変わる。
3. 宛先に合わせてトーンを調整する指示を出す
プロンプトに「カジュアル寄りで」「敬語は使うがですます調で」のようにトーンの指示を具体的に入れると、書き直しの手間が減る。「丁寧に」だけだとAIは最大限フォーマルに振れがちなので、もう一段具体的に伝えるのがポイント。
使い分けのまとめ
| やりたいこと | おすすめツール | 理由 |
|---|---|---|
| 社外向けのフォーマルな挨拶 | ChatGPT | 失礼のない定型文が安定して出る |
| 社内向けの柔らかい挨拶 | Claude | トーン調整が柔軟 |
| Outlookからすぐ送りたい | Copilot | Office連携がスムーズ |
応用:こんな挨拶文にも使える
担当変更の挨拶以外にも、4月はAIに頼れる場面が多い。
- 異動のお知らせメール:部署名・業務内容・連絡先をプロンプトに入れるだけ
- 歓迎会・送別会の案内文:日時・場所・会費を伝えれば文面ができる
- 年度初めの全体メール:今年度の方針を箇条書きで渡せば、文章にしてくれる
- 名刺交換後のお礼メール:会った場面と話した内容を伝えると、自然なフォローメールに
やってみた感想
正直、挨拶メールは「中身がない」からこそ書くのが難しかった。伝えたい情報は少ないのに、失礼がないように、でも心がこもっているように見せたい。この微妙なバランスを取るのに毎回悩んでいた。
AIに下書きを任せると、「何を書くか」ではなく「どこに自分らしさを足すか」に集中できるようになる。10通のメールを全部ゼロから書いていた去年と比べて、今年は1時間くらい早く終わった。
浮いた時間で、新しい部署のメンバーとゆっくりランチに行けた。新年度の過ごし方として、悪くない。