何が起きたか

電話を受けて、メモを書いて、担当者のデスクに置く。事務職なら毎日何度もやる作業だ。

でも正直、急いで書いたメモが後から読めないことがある。自分では書いたつもりなのに、「これ誰から?」「折り返し必要なの?」と聞き返されると申し訳ない気持ちになる。

電話中は相手の話を聞くのに必死で、メモは走り書き。電話が終わってから清書しようと思っても、次の電話が鳴ったり来客があったりで、結局そのまま渡してしまう。

ある日、先輩から「走り書きのメモをAIに渡してごらん」と言われて試してみたら、驚くほどきれいな伝言メモが出来上がった。

電話メモが「伝わらない」原因

自分のメモを振り返ると、伝わらないパターンは大体決まっていた。

  • 誰からの電話か、会社名と名前がどっちか抜けている
  • 何の用件か、要点がぼんやりしている
  • 折り返しが必要か、対応の優先度がわからない
  • 電話番号を書き忘れている

電話中は「覚えておこう」と思うのに、受話器を置いた瞬間にあやふやになる。これは自分だけじゃなく、事務職あるあるだと思う。

AIが得意なのはまさにこの「散らかった情報を整理する」こと。走り書きのメモをそのまま渡せば、必要な項目を埋めた伝言メモに仕上げてくれる。

やり方

電話が終わったら、走り書きメモの内容をそのままAIチャットに送るだけ。

プロンプト例:

「以下のメモから伝言メモを作ってください。項目は、日時・相手の会社名と名前・用件・折り返しの要否・電話番号・補足。」

走り書きメモ(そのまま貼り付け):

「山田商事 鈴木さん 4/2 14時ごろ 見積もりの件 金額確認したい 折り返しほしい 03-1234-5678」

これだけで、AIはこんな伝言メモを出してくれる。

AIが作ってくれた伝言メモの例

伝言メモ

  • 日時: 4月2日(水)14時頃
  • 相手: 山田商事 鈴木様
  • 用件: お見積もりの金額について確認したいとのこと
  • 折り返し: 必要(先方よりご希望あり)
  • 電話番号: 03-1234-5678
  • 補足: 特になし

走り書きの断片が、きちんとした伝言メモに変わった。所要時間はコピペして送信するだけの10秒ほど

3つのAIで試してみた

いつものように、ChatGPT・Claude・Copilotの3つで同じメモを投げてみた。

ChatGPT(GPT-4o)

箇条書きの伝言メモがすぐ出てくる。「用件」の書き方が簡潔でわかりやすい。テンプレートっぽいフォーマットで安定感がある。

Claude

用件の部分をもう少し丁寧に補足してくれる傾向があった。「鈴木様よりお見積もりの金額についてご確認のお電話がありました」のように、担当者が読んだときにすぐ状況がわかる書き方をしてくれる。

Copilot

Wordと連携しやすいのが便利。社内で伝言メモのWordテンプレートを使っている場合は、Copilotで下書き→テンプレートに貼り付けの流れがスムーズ。

どれがおすすめ?

正直、伝言メモ程度ならどのAIでも十分な品質。すでにアカウントを持っているAIを使えばOK。強いて言えば、丁寧さ重視ならClaude、テンプレ連携重視ならCopilotがちょっとだけ便利。

もっと便利に使うコツ

1. プロンプトを定型文として保存しておく

毎回プロンプトを書くのは面倒なので、こんな定型文をメモ帳やクリップボードツールに保存しておくとラク。

「以下のメモから伝言メモを作ってください。項目は、日時・相手の会社名と名前・用件・折り返しの要否・電話番号・補足。足りない項目は『不明』と書いてください。」

最後の「足りない項目は『不明』と書いてください」がポイント。書き忘れた情報があっても、AIが勝手に埋めずに「不明」と出してくれるので、あとから確認すべき点がひと目でわかる。

2. 複数の電話をまとめて処理する

忙しい時間帯に3〜4本まとめて電話を受けることもある。そんなときは走り書きメモを全部まとめてAIに投げて、「以下のメモからそれぞれ個別の伝言メモを作ってください」とお願いすれば、一括で仕上げてくれる。

3. SlackやTeamsに貼りやすい形式を指定する

最近は紙のメモよりチャットで伝言を送ることも多い。「Slackに貼れるように短めの文章形式で」と指定すれば、箇条書きではなく1〜2文のコンパクトな伝言にしてくれる。

注意点

  • 個人情報の扱いに気をつける。 電話番号や名前を社外のAIに送ることになるので、会社のAI利用ルールを確認しておこう。社内で許可されたツールを使うのが安心
  • AIの出力は必ず目を通す。 まれに走り書きの数字を読み間違えることがある。特に電話番号は送信前にもう一度確認
  • 機密性の高い内容は避ける。 契約金額や人事情報など、電話の内容がセンシティブな場合は手書きで対応した方が無難

まとめ

電話メモの清書は、AIの使い方としてはかなり地味な部類に入る。でも、毎日何度も発生する作業だからこそ、ちょっとした効率化が積み重なる

走り書きのメモをAIに渡すだけで、「誰が読んでもわかる伝言メモ」が一瞬で完成する。担当者から「これ、誰からの電話?」と聞き返されることもなくなった。

難しい設定も特別なスキルも要らない。今日受ける次の電話から、ぜひ試してみてほしい。