プレゼン本編より「その後」が怖い
社内プレゼンや報告会で、資料の準備はがんばれる。スライドも作った、原稿も練習した。でも一番の不安は 質疑応答の時間 だったりしませんか?
「それ、根拠あるの?」「コストはどれくらい?」「他の方法は検討した?」——こういう質問が飛んできたとき、頭が真っ白になった経験、わたしだけじゃないはず。
資料作りには何時間もかけるのに、質疑応答の準備はなぜかぶっつけ本番。考えてみれば、これはかなりバランスが悪い。
そこで、AIに「想定問答集」を作ってもらうことにした。結果、本番の安心感がまるで違った。
質疑応答の何がつらいのか
つらさの正体は、予測できないことだと思う。
- 誰がどんな角度で聞いてくるかわからない
- その場で考えて、的確に答えなきゃいけないプレッシャー
- 答えられないと「準備不足」と思われそうな恐怖
- 上司や役員の前だと余計に緊張する
でも冷静に振り返ると、質疑で聞かれることって ある程度パターンがある。コスト、スケジュール、リスク、代替案、根拠データ……。だったら、事前にそのパターンを洗い出して回答を用意しておけばいい。
問題は、自分一人で想定質問を考えると 自分の視点に偏る こと。「自分が気になるところ」は思いつくけど、「他の人が突っ込みそうなところ」は意外と盲点になる。
ここでAIに「第三者の目」になってもらうと、自分の死角をカバーできる。
ステップ1:プレゼン内容をAIに共有する
まず、プレゼンの内容をAIに伝えます。スライドの内容をコピペするだけでOK。
以下は来週の社内プレゼンの内容です。
この内容に対して、聞いている人から出そうな質問を
10個考えてください。
【プレゼンのテーマ】
社内の紙の申請書をGoogleフォームに移行する提案
【主な内容】
・現状:月に約200件の紙の申請書を処理している
・課題:記入漏れが多く、差し戻しに時間がかかる
・提案:Googleフォームに切り替えて入力チェックを自動化
・効果:差し戻し率が50%減る見込み
・費用:追加コストなし(既存のGoogle Workspace内で対応)
・スケジュール:5月から試験運用、7月から本格導入
【聞き手】
総務部の部長と課長、他部署のリーダー3名
すると、こんな質問リストが返ってきます。
- 紙の申請書に慣れている社員への周知・教育はどうするのか?
- Googleフォームが使えない社員(高齢の方やITが苦手な方)への対応は?
- 差し戻し率50%減の根拠は何か?
- 個人情報を扱う申請書もフォームに移行するのか、セキュリティは大丈夫か?
- 試験運用の期間が2ヶ月で十分なのか?
- 他社で同様の取り組みをした事例はあるか?
- 紙とフォームの併用期間は設けるのか?
- 既存の申請書の過去データはどう扱うのか?
- フォームの入力チェックだけで記入漏れは本当に防げるのか?
- トラブル時(システム障害など)のバックアップ体制は?
自分では思いつかなかった 4番(セキュリティ)や 8番(過去データ)が出てきて、「確かに聞かれそう……!」となった。
ステップ2:回答の下書きもAIに作ってもらう
質問リストができたら、次は回答。
上の想定質問に対する回答案を作ってください。
条件は以下のとおりです。
・1つの回答は3〜4文程度で簡潔に
・専門用語は使わず、誰でもわかる言葉で
・「正直まだ検討中です」も選択肢として使ってOK
・回答の最後に補足データがあれば一言添える
AIが各質問に対する回答案を出してくれます。そのまま使えるものもあれば、「ここは実際の数字を入れたほうがいいな」と気づけるものもある。
大事なのは、AIの回答をそのまま暗記するのではなく、自分の言葉に直すこと。完全にAI任せだと、本番で「あれ、なんだっけ……」となる。下書きをベースに、自分なりの言い回しに整えるのがコツ。
ステップ3:意地悪な質問もあえて聞いてみる
仕上げに、もう一押し。
この提案に対して、あえて批判的な立場から
厳しい質問を3つ考えてください。
役員が投資対効果を気にしている想定でお願いします。
すると、こんな質問が出てきます。
- 「コスト削減効果を金額で示せるか?人件費換算でいくら浮くのか?」
- 「そもそも紙の申請書で大きな問題が起きたことはあるのか?現状維持ではだめな理由は?」
- 「導入後に現場から不満が出た場合、撤退基準は決めているのか?」
これは痛い。でも、事前に痛い質問を知っておけば、本番で刺さっても致命傷にはならない。「ご指摘の点は社内で検討しておりまして……」と冷静に返せる。
ちなみに、それでも想定外の質問が来たら? そのときは「貴重なご指摘ありがとうございます。持ち帰って確認し、改めてご報告します」でOK。全部その場で答えなきゃいけないルールはない。
実際にやってみた結果
先日の社内プレゼンで、この方法で想定問答集を15問ほど準備して臨んだ。
結果、実際に出た質問の8割が想定の範囲内だった。
特に効果を感じたのが、部長から「セキュリティ面は大丈夫なの?」と聞かれたとき。以前のわたしなら「えーっと、たぶん大丈夫だと思います……」となっていたところを、「はい、個人情報を含む申請書は対象外としておりまして、まずはリスクの低いものから移行する計画です」とスムーズに回答できた。
プレゼン後に同僚から「質問への切り返しが上手かったね」と言われて、心の中でAIにお礼を言った。
まとめ:質疑応答は「準備ゲー」だった
プレゼンの質疑応答は、才能やアドリブ力の勝負じゃない。事前にどれだけ想定質問をつぶしておけるかの準備ゲーだった。
AIを使えば、自分では気づけない角度の質問を洗い出せるし、回答の下書きまで一気に作れる。準備時間は30分もあれば十分。
もう「質疑応答が怖いからプレゼン嫌い」とは言わなくて済むかもしれません。