「今日○○さん休みなので、代わりにお願いします」
朝イチでこの一言を聞いたとき、正直フリーズした。
同僚が体調不良で急きょお休み。その人が担当していた今日締め切りの集計作業と取引先への連絡を代わりにやってほしい、と上司から言われた。
引き継ぎ資料? ない。口頭の説明? 本人は寝込んでいる。過去のメール? どこにあるかわからない。
こういう「急な代理対応」、事務職をしていると年に何回かは必ずやってくる。そして毎回、ヒヤヒヤしながら乗り切っている人が多いのではないでしょうか。
なぜ代理対応はこんなにストレスなのか
自分の業務なら段取りがわかっている。でも人の仕事を急に任されると、こんな壁にぶつかる。
- 手順がわからない:何を、どの順番で、どこに出すのかが不明
- 背景がわからない:なぜこのフォーマットなのか、なぜこの人に送るのかが見えない
- 聞ける人がいない:本人は不在、周囲も「なんとなくは知ってるけど……」状態
結局、過去のファイルやメールを探し回って、見よう見まねで処理することになる。時間がかかるし、ミスが怖い。
ここでAIの出番です。
やり方1:手元の情報をAIに渡して手順を推測してもらう
完璧な引き継ぎ資料がなくても、手がかりはあるはず。前回のファイル、メールのやり取り、フォルダに残っているデータ。それをAIに渡して「何をすればいいか」を整理してもらう。
プロンプト例:
同僚の代理で月次の売上集計をすることになりました。以下は前月の完成ファイルの内容です。 (ここにデータや項目名を貼り付け)
この情報から、作業手順を推測して箇条書きで教えてください。注意すべきポイントも挙げてください。
AIは前月のファイルから**「おそらくこういう手順で作っている」**というステップを推測してくれる。もちろん100%正確ではないけれど、ゼロから手探りするよりずっとマシ。
「なるほど、まず売上データをダウンロードして、部署ごとに分類して、前月比を出すのか」と全体像がつかめるだけで、不安がかなり減る。
やり方2:代理で送るメールの文面をAIに作ってもらう
代理対応で地味に困るのが、取引先や社内への連絡メール。
「○○の代理で対応しております」と書くだけでも、失礼にならないか気を使う。まして相手との過去のやり取りを知らない状態だと、トーンの正解がわからない。
プロンプト例:
同僚の田中さんが体調不良でお休みのため、私が代理で取引先に連絡します。 以下の状況でメールの文面を作ってください。
・相手:株式会社○○の佐藤様 ・用件:納品スケジュールの確認(田中が先週メールで問い合わせ済み) ・伝えたいこと:田中の代理であること、回答を引き続きお待ちしていること ・トーン:丁寧だが堅すぎない
AIが出してくれる文面をベースに、細かい部分を調整するだけ。ゼロから悩むのと、下書きを直すのでは、かかる時間がまるで違う。
やり方3:よくわからない業務用語やルールをAIに聞く
代理対応中に「これ何のこと?」と思う場面は意外と多い。
- ファイル名に「FY25Q4」と書いてあるけど何の略?
- 「検収」と「納品」の違いは?
- 「ネット30日」って支払い条件のこと?
周囲に聞くのも手だけれど、忙しそうだったり、何度も聞くのが申し訳なかったりする。AIなら何回聞いても嫌な顔をしない。
プロンプト例:
事務の仕事で出てきた用語がわかりません。以下の意味をそれぞれ簡単に教えてください。 ・検収 ・ネット30日 ・FY25Q4
専門用語をサッと調べられると、資料の内容が理解しやすくなり、作業スピードが上がる。
実際にやってみた結果
冒頭の「急な代理対応」で、実際にAIを活用してみた感想はこうだった。
- 集計作業:前月ファイルをAIに見せて手順を推測→1時間半かかると思っていた作業が50分で完了
- 取引先メール:AIに下書きを作ってもらい、上司に確認→15分で送信完了
- 不明用語:作業中に出てきた3つの用語をAIに質問→その場で解決
全体として、AIなしだったら半日かかっていたかもしれない作業が、午前中で片付いた。何より「わからないまま進めている不安」が減ったのが大きかった。
代理対応をもっとラクにするコツ
AIに頼る前に、ちょっとした準備をしておくとさらにスムーズになる。
- 前回のファイルやメールを先に探しておく:AIに渡す材料が多いほど精度が上がる
- 「何がゴールか」を上司に確認する:手順がわからなくても、最終的に何を出せばいいかだけ押さえておく
- AIの回答は鵜呑みにしない:推測ベースなので、不安な部分は上司や詳しい人にダブルチェック
特に3つ目は大事。AIは**「もっともらしい手順」を出すのが得意**だけど、社内ルールや暗黙のお作法までは知らない。最終判断は自分(と上司)で行うのが安全です。
まとめ:急な代理対応こそ、AIの出番
代理対応のストレスは「わからない」から生まれる。
- 手順がわからない → AIに推測してもらう
- 文面がわからない → AIに下書きを作ってもらう
- 用語がわからない → AIにその場で聞く
完璧な引き継ぎ資料がなくても、手元にある材料をAIに渡すだけで、なんとかなる。
次に「代わりにお願い」と言われたら、まずはAIチャットを開いてみてください。「なんとかしなきゃ」のプレッシャーが、「なんとかなりそう」に変わるはずです。