「忙しい」のに何が忙しいか説明できない問題

毎日バタバタしている。残業もしている。なのに「具体的に何にそんなに時間がかかってるの?」と聞かれると、うまく答えられない。

事務職あるあるだと思うんですが、日々の細かいタスクが積み重なって「なんとなく忙しい」状態になっていませんか?わたしもまさにそうでした。

「もっと効率よくできないかな」とは思うものの、改善のアイデアを考える余裕すらない。そんなときにふと、AIに相談してみたんです。これが思った以上に使えました。

まずはAIに「業務の棚卸し」を手伝ってもらう

改善の第一歩は、自分が何に時間を使っているか整理すること。でもこの「棚卸し」がまた面倒ですよね。

そこでAIにこう聞きます。

プロンプト例: わたしは一般事務職です。以下が普段やっている業務です。それぞれの作業について「時間がかかりそうなポイント」と「改善できそうなこと」を一覧にしてください。

・毎朝メールを確認して担当者に振り分ける ・請求書のデータをExcelに手入力する ・会議の日程調整メールを関係者に送る ・月末に経費精算の書類をまとめる ・社内の備品在庫を数えてリストを更新する

ポイントは、難しく考えずにやっていることをそのまま箇条書きで書くこと。文章として整える必要はありません。メモ書きレベルで大丈夫です。

AIが出してくれた改善ヒントがこちら

上のプロンプトを投げたら、こんな回答が返ってきました(ChatGPTの例)。

業務時間がかかるポイント改善のヒント
メール振り分け件数が多いと1通ずつ確認が必要Outlookのルール機能で自動振り分けを設定する
請求書の手入力転記ミスが起きやすく確認に時間がかかるPDFから自動でデータを取り込むツールを検討する
日程調整メール候補日の調整が往復メールになりがち日程調整ツール(Spirなど)を使う
経費精算まとめ月末に一気にやるので量が多い週次で少しずつ処理するルールに変える
備品在庫チェック現物を数えに行く手間がある使用時にスプレッドシートに記録する運用に変える

正直、「言われてみればそうだよね」という内容が多いんです。でもそれがいい。自分一人で考えていると「そもそも改善できるかも」という発想すら出てこないので、AIに壁打ち相手になってもらうことで気づきのきっかけが生まれます。

もっと深掘りする聞き方

最初の一覧で「これは改善できそう」と思った項目があったら、さらに掘り下げます。

プロンプト例: 「請求書のデータをExcelに手入力する」作業について、もっと詳しく改善方法を教えてください。条件は以下のとおりです。

  • 月に約50件の請求書を処理している
  • 請求書はPDFで届くものと紙で届くものがある
  • 現在はすべて手入力でExcelに転記している
  • 新しいツールの導入には上司の承認が必要
  • ITに詳しくないので、難しい設定は避けたい

こうやって自分の状況を具体的に伝えると、AIも現実的な提案をしてくれます。

たとえば「まずは紙の請求書をスマホで撮影してPDF化するところから始めましょう。無料アプリで十分です」「Excelのフォーマットに入力規則を設定しておくと、入力ミスが減ります」など、今すぐできる小さな改善から提案してくれるのが助かります。

上司への提案書のたたき台もAIに作ってもらう

改善アイデアが固まったら、次のハードルは上司への説明。「こうしたいです」だけでは通りにくいですよね。

プロンプト例: 以下の業務改善アイデアについて、上司に提案するための簡単な説明文を作ってください。現状の課題・改善案・期待できる効果の3点でまとめてください。

改善したいこと:請求書の手入力をやめて、PDFから自動でデータを取り込む仕組みにしたい

AIが作ってくれる説明文はたとえばこんな感じです。

【業務改善のご提案:請求書データ入力の効率化】

■ 現状の課題
毎月約50件の請求書を手作業でExcelに転記しており、
1件あたり約5分、月に合計4時間以上の工数がかかっています。
また、手入力のため転記ミスが発生し、確認作業にも時間を要しています。

■ 改善案
PDF形式の請求書からデータを自動取得するツールの導入を提案します。
無料または低コストで利用できるものもあり、
大がかりなシステム導入は不要です。

■ 期待できる効果
・月4時間以上の作業時間を削減
・転記ミスの防止による確認作業の軽減
・月末の業務集中を緩和

これをたたき台にして、自分の言葉で調整すれば提案書の完成です。ゼロから書くのと比べて圧倒的にラクですよね。

やってみて分かった3つのコツ

1. 「めんどくさい」と感じた瞬間にAIに聞く

業務改善のタネは、日常の中の**小さな「めんどくさい」**に隠れています。「この作業めんどくさいな」と思ったら、その場でAIに「これ、もっとラクにする方法ある?」と聞いてみてください。5秒で聞けて、意外な解決策が返ってくることがあります。

2. 完璧な改善より「ちょっとマシ」を目指す

AIが提案してくれる改善策の中には、ツール導入や仕組み変更が必要なものもあります。全部やろうとすると大変なので、「今日からできること」だけ先にやるのがおすすめです。メールのフィルタ設定ひとつでも、毎日5分の節約になれば月に100分の短縮です。

3. 定期的に棚卸しを繰り返す

一度やって終わりではなく、月に1回くらいAIと業務の棚卸しをすると効果的です。状況の変化で新しい改善ポイントが見つかることもあります。

注意すること

  • 具体的な業務内容や社内情報をAIに入力するときは、会社のセキュリティポリシーを確認してください
  • AIの提案はあくまでヒント。自分の職場の事情に合うかどうかは自分で判断する必要があります
  • 改善を進めるときは周囲への相談を忘れずに。良かれと思って変えたことが、他の人の業務に影響することもあります

まとめ

業務改善は「大きなプロジェクト」じゃなくていい。AIに「この仕事、もっとラクにならない?」と聞くだけで、気づかなかった改善ポイントが見えてきます。

ステップやること所要時間
1業務を箇条書きでAIに伝える5分
2改善ヒントの中から「できそう」を選ぶ5分
3必要なら提案書のたたき台を作る10分

合計20分で、業務改善の第一歩が踏み出せます。「忙しくて改善する暇がない」という人こそ、まずはAIに業務リストを投げるところから始めてみてください。きっと「もっと早くやればよかった」と思うはずです。