何が起きたか
4月。新入社員が入ってくる季節。
毎年この時期になると、「経費精算のやり方」「社内システムの使い方」「電話対応の基本」みたいな社内研修の資料作りに追われる。内容自体は去年とほぼ同じなのに、「今年のバージョンに合わせて更新して」「もうちょっとわかりやすくして」と言われて、結局イチから作り直すハメになる。
1つの資料に丸1日かかることもあった。
なぜ研修資料は時間がかかるのか
研修資料が大変なのは、伝えたい内容はシンプルなのに、わかりやすく構成するのが難しいから。
「経費精算の手順」なんて、やること自体は5ステップくらい。でもそれを新人がつまずかないように説明しようとすると、「ここでよくある間違い」「この画面のどのボタンを押すか」みたいな補足をどんどん足すことになる。
しかも、研修資料に求められるのは「正確さ」だけじゃなくて「読みやすさ」。箇条書きの粒度、見出しの付け方、説明の順番……こういう構成の部分に時間がかかる。
AIが得意なのは、まさにこの「情報を整理して、わかりやすい構成にする」作業だった。
やり方
AIチャットに、こう送る。
「以下の内容で、新入社員向けの研修資料を作ってください。テーマ:経費精算の手順。含めてほしい内容:①交通費の申請方法、②領収書の提出ルール、③締め日と支払日、④よくある間違いと対処法。口調は親しみやすく、新人が読んでも怖くない感じで。」
ポイントは4つ。
- 対象者を明確にする(新入社員、中途入社、パートさんなど)
- 含めてほしい内容を箇条書きで並べる
- 口調やトーンを指定する(堅め、やさしめ、カジュアルなど)
- 形式を伝える(箇条書き中心、Q&A形式、ステップ形式など)
これだけで、見出し付きの研修資料のたたき台が一発で出てくる。
ChatGPT・Claude・Copilot で比較してみた
「経費精算の研修資料」を3つのAIに同じ指示で作らせてみた。
ChatGPTの資料
- 構成がきれいで、見出し・箇条書き・注意書きのバランスが良い
- ステップごとに番号を振ってくれるので手順書向き
- やや一般的な内容になりがちで、自社独自のルールは自分で足す必要がある
- 表やチェックリストを頼むと、きれいに整形してくれる
Claudeの資料
- 説明が丁寧で、初心者にやさしい言い回しになる
- 「ここでつまずきやすいポイント」を自然に入れてくれる
- 注意事項の書き方が上手で、読んでいて圧迫感がない
- 長めの資料でも構成が崩れにくい
Copilot(Microsoft 365)の資料
- PowerPointのスライド構成として使うなら圧倒的に便利
- Word上で直接使えるので、そのまま社内フォーマットに流し込める
- 他2つに比べると日本語の自然さはやや劣る場面がある
- 既存のWordテンプレートに沿って作りたいときに強い
比較まとめ
| 観点 | ChatGPT | Claude | Copilot |
|---|---|---|---|
| 構成力 | きれい | 丁寧 | テンプレ向き |
| 初心者への配慮 | 普通 | 高い | 普通 |
| そのまま使えるか | 少し手直し | ほぼそのまま | フォーマット次第 |
| 手軽さ | ブラウザ | ブラウザ | Office内で完結 |
| おすすめ用途 | 手順書・マニュアル | 読み物系の研修資料 | スライド・Word資料 |
もっと使えるプロンプトのコツ
基本の使い方に慣れたら、こんな追加指示も試してみてほしい。
- 「Q&A形式で作って」 → 新人がよく聞く質問ベースの資料になる
- 「チェックリスト形式で作って」 → 研修後の確認テストとしても使える
- 「5分で読める分量にして」 → 長すぎる資料を防げる
- 「去年の資料をベースに更新して」 → 去年の資料を貼り付ければ差分だけ修正してくれる
特に「去年の資料を貼り付けて更新を頼む」のは本当に便利。変更点だけハイライトしてくれるので、ゼロから作り直す必要がなくなる。
注意点
研修資料をAIで作るとき、気をつけてほしいことが2つある。
1つ目は、自社固有の情報は自分で補足すること。
AIは一般的なビジネスマナーや手順は知っているけれど、「うちの会社では経費精算システムに○○を使っている」「承認ルートは部長→経理の順」みたいな社内ルールは知らない。たたき台をもらったら、自社の情報を書き足す作業は必要になる。
2つ目は、機密情報を貼り付けないこと。
去年の資料を丸ごとAIに貼り付ける前に、社外秘の情報が含まれていないか確認しよう。社内システムのURLやパスワード、取引先の具体的な情報などは伏せてからAIに渡すのが安全。心配なら、IT部門に「このAIツール使っていいですか」と一声かけておくと安心。
まとめ
- 研修資料はAIにたたき台を作らせると、準備時間が3分の1になる
- 対象者・内容・口調・形式を指示するだけでOK
- 手順書ならChatGPT、やさしい研修資料ならClaude、Office連携ならCopilot
- 去年の資料を貼り付けて更新を頼むテクニックが特に便利
- 自社固有の情報の補足と、機密情報の取り扱いだけは忘れずに