何が起きたか

月曜の朝、出社してPCを開いたらExcelがフリーズして動かない

しかも午前中に提出しなきゃいけない集計表を開いている最中だった。いつもなら情シス(情報システム部)に内線して「すみません、Excelが固まりました……」とお願いするところ。でもその日に限って情シス担当者が出張中。

「誰に聞けばいいの……」と焦りながら、ふと思いついた。「AIに聞いてみよう」

最近、メールの下書きや議事録の整理でChatGPTを使い始めていた。ダメ元でPCトラブルも聞いてみることにした。

よくあるトラブル、AIに聞いてみた

ケース1:Excelがフリーズした

ChatGPTに「Windows 11でExcelが応答なしになりました。保存していないデータがあります。どうすればいいですか?」と聞いてみた。

返ってきた回答がこれ(要約):

  1. まず5分ほど待ってみてください。処理が重いだけの場合、自然に復帰します
  2. 復帰しない場合は Ctrl+Alt+Delete → タスクマネージャー → Excelを選んで「タスクの終了」
  3. Excelを再度開くと「回復されたファイル」が表示されるので、そこから復元できます
  4. 今後の対策として、Ctrl+S をこまめに押す習慣をつけましょう

正直、タスクマネージャーの開き方すら曖昧だった自分にとって、ステップごとの説明はありがたかった。実際にやってみたら、ちゃんと回復ファイルが出てきて事なきを得た。

ケース2:Wi-Fiに繋がらない

在宅勤務の日、急にWi-Fiが切れた。スマホは繋がるのにPCだけダメ。Claudeに「PCだけWi-Fiに繋がりません。スマホは繋がっています。Windows 11です」と相談。

  1. 画面右下のWi-Fiアイコンを右クリック →「ネットワークとインターネットの設定」
  2. Wi-Fiをオフにして10秒待ち、もう一度オンにする
  3. それでもダメなら「ネットワークのトラブルシューティング」を実行
  4. 最終手段:コマンドプロンプトで ipconfig /releaseipconfig /renew

ステップ2の「Wi-Fiオフ→オン」で直った。所要時間30秒。以前ならルーターの電源を抜いて再起動して……と30分は格闘していたと思う。

ケース3:プリンターで印刷できない

「プリンターに印刷を送ったのに出てきません」──これも事務職あるあるの困りごと。Microsoft Copilotに聞いてみた。

  1. 印刷キュー(印刷待ち一覧)を確認。詰まっているジョブがあれば削除
  2. 送信先のプリンターが正しいか確認(別のプリンターが選ばれていることが多い)
  3. プリンターの電源を入れ直す
  4. PCとプリンターの接続を確認(USBケーブルが抜けている/Wi-Fi接続が切れている)

犯人は「送信先プリンター」だった。 会議室のプリンターが選択されたまま、自席のプリンターに送ったつもりになっていた。AIに聞かなければ、延々と自席のプリンターを睨み続けるところだった。

情シスに聞く前に「AIに30秒だけ聞く」習慣

3つのケースを体験して気づいたのは、PCトラブルの多くは「何をすればいいか分からない」だけで、手順さえ分かれば自分で直せるということ。

もちろん、すべてのトラブルをAIで解決できるわけではない。社内システム固有のエラーや、ハードウェアの物理的な故障はさすがにAIでは対処できない。

でも「まずAIに30秒だけ聞いてみる」を習慣にすると、こんなメリットがあった。

  • 情シスへの問い合わせが減った(体感で月5〜6回 → 1〜2回)
  • 待ち時間ゼロで対処法が分かる(情シスは忙しいと折り返しに30分かかることも)
  • 自分で直せた達成感がある(ちょっと自信がつく)
  • 同じトラブルが再発しても自分で対応できるようになった

AIに聞くときのコツ

PCトラブルをAIに相談するとき、漠然と「パソコンが動きません」と聞くと、返ってくる回答も漠然としたものになりがち。具体的に状況を伝えるのがポイント。

伝えるべき情報:

  • OS(Windows 11、Windows 10など)
  • 何をしていたときに起きたか(Excel操作中、ブラウザで社内システムを開いていたなど)
  • エラーメッセージがあればそのまま貼り付ける
  • すでに試したこと(再起動した、ケーブルを差し直したなど)

たとえば、こんなふうに聞く:

Windows 11のPCで、Chromeを使って社内の経費精算システムにログインしようとしたら「このサイトにアクセスできません」と表示されます。他のサイトは見られます。昨日までは問題なく使えていました。再起動はしました。

これだけ情報があると、AIはかなり的確な回答を返してくれる。

注意点:AIに聞いちゃダメなケース

便利なAIのPC相談だけど、気をつけたいことが2つある。

1. 社内の機密情報を貼り付けない

エラーメッセージにIPアドレスやサーバー名が含まれている場合、そのまま外部のAI(ChatGPTなど)に貼り付けるのはセキュリティ的にNG。社内ルールを確認しよう。エラーメッセージの固有名詞を「○○」に置き換えて聞くだけでも十分回答は得られる。

2. よく分からないコマンドをそのまま実行しない

AIが「コマンドプロンプトでこれを実行してください」と言ってきたとき、内容を理解せずにコピペ実行するのは危険。特に「管理者権限で実行してください」と言われたら、いったん立ち止まって情シスに相談するのが安全。

まとめ

PCトラブルは突然やってくる。そして情シスはいつも忙しい。

**「まずAIに30秒聞いてみる」**を習慣にするだけで、自分で解決できるトラブルが意外と多いことに気づく。Excelのフリーズ、Wi-Fiの不調、プリンターの迷子──これくらいのトラブルなら、AIが教えてくれる手順で十分対応できる。

もちろん、分からないときは無理せず情シスに頼ろう。でも「AIに聞いてから電話する」だけで、問い合わせの質も上がる。「Excelが動きません」ではなく「タスクマネージャーで確認したら応答なしで、回復ファイルも見つかりません」と伝えられたら、情シスの人もきっと助かるはず。

今日からぜひ、AIをPC相談の一次窓口にしてみてほしい。