Copilotに頼んでも「なんか違う」が返ってくる問題

Copilotを使いはじめた頃、いちばんモヤモヤしたのがこれでした。「メールを書いて」と頼むと、たしかに何か返ってくる。でも、そのまま使えないビミョーな文章なんです。

  • 丁寧すぎたり、逆にカジュアルすぎたりして、社風に合わない
  • こっちが言いたい要点が入っていない、または余計なことが盛られている
  • やり直しを頼むたびに、少しずつズレていく

しばらくは「Copilotってこんなものか」と思っていました。でも原因は、AIの実力ではなくわたしの頼み方でした。頼み方を変えたら、同じCopilotとは思えないくらい"使える下書き"を返してくれるようになったんです。

Copilotそのものの基本から知りたい方は、先にCopilotの使い方・入門を読むと、この記事の内容がつながりやすいです。用途別の実践はCopilot活用ガイドにまとめています。

結論:Copilotは「前提・目的・形式」を渡すと化ける

先に結論です。頼むときに「①前提(状況)②目的(誰に何のため)③出力の形(長さ・トーン・箇条書きか)」の3つを添えるだけで、返ってくる質が大きく変わります。

Copilotは気が利く新入社員のようなものです。何も説明せず「メール書いて」と言われたら困ってしまう。逆に「誰宛に、何のために、どんなトーンで、どのくらいの長さで」を伝えれば、期待どおりのものを出してくれます。

良い指示・スベる指示の具体例

同じ「お礼メール」を頼むにも、これだけ差が出ます。

スベる指示通じる指示
「お礼のメール書いて」「取引先の田中様に、昨日の打ち合わせのお礼メールを。丁寧だが硬すぎない社外向けのトーンで、5行程度。次回日程の相談を一文入れて」
結果誰宛か不明で汎用的そのまま送れる下書き

ポイントは、頭の中にある「当たり前の前提」を言葉にして渡すこと。相手・目的・トーン・長さ・入れてほしい要素。この5点を意識するだけで十分です。

実際にやりとりすると、こんな感じになります。

実際のやりとりを再現(社名などはサンプル)
あなた
取引先の田中様宛に、昨日の打ち合わせのお礼メールを書いてください。
・トーン:丁寧だが硬すぎない社外向け
・長さ:5行程度
・入れたいこと:次回の日程を相談する一文
Copilot
承知しました。以下のとおり作成します。

件名:昨日はありがとうございました(○○社 山田)

田中様

お世話になっております。○○社の山田です。
昨日はお忙しいなかお時間をいただき、ありがとうございました。
いただいたご意見をふまえ、次回までに資料を整えてまいります。
つきましては、来週後半で次回の打ち合わせ日程をご相談できれば幸いです。
引き続きよろしくお願いいたします。

最初から100点でなくても大丈夫です。「もう少し短く」「1文だけ堅く」と追い注文すれば、Copilotはすぐ調整してくれます。

事務職向け・そのまま使える頼み方テンプレ

迷ったら、この型に当てはめるだけで通じます。

【誰に】○○宛に、【何を】△△を作ってください。 ・目的:(何のため) ・トーン:(丁寧/カジュアル/社外向け など) ・長さ・形式:(○行程度/箇条書き/表 など) ・必ず入れること:(要素があれば)

この型は、メールでも議事録でも稟議書でも共通で使えます。たとえば議事録なら議事録の作り方、稟議書なら稟議書を通すコツで、実際のプロンプト例を見られます。

もう一歩うまく使う3つのコツ

① 一度で完璧を狙わず、会話で育てる

最初の返答を"たたき台"と割り切り、「ここをこう直して」と会話を重ねるのが結局いちばん速いです。ゼロから自分で書き直すより、直しを指示するほうがラクです。

② お手本を見せる

過去に評判が良かったメールや、社内の定型文を貼って「このトーンに合わせて」と頼むと、社風にぐっと近づきます。Copilotは真似が得意です。

③ 会話が長くなったら引っ越す

同じチャットで延々と続けると、話がこんがらがったり動作が重くなったりします。テーマが変わったら新しいチャットに移すのがおすすめです。重くなったときの対処はCopilotが重い・遅いときの引っ越し術にまとめています。

注意点:Copilotが苦手なこと

頼み方でカバーできない領域もあります。

  • 最新の社外情報や、確定した数字の正確性:それらしく書いてくることがあるので、必ず裏取りを
  • 会社独自のルール・様式:就業規則や社内フォーマットは知りません。前提として渡すか、最後に自分で整える
  • 機密情報の判断:何を入れてよいかはCopilotではなく社内ルールで決まります

ツールごとの得意・不得意をまとめて把握したいときは、AIツール比較表が便利です。

よくある質問

Q. プロンプトって、長く書けば書くほどいいのですか?

長さより「必要な前提が入っているか」が大事です。相手・目的・トーン・長さ・入れてほしい要素の5点が押さえられていれば、短くても十分に通じます。逆に、関係ない情報を盛りすぎると要点がぼやけることもあります。

Q. 英語で指示したほうが精度は上がりますか?

事務職の日常業務なら、日本語で問題ありません。日本語のビジネス文書はむしろ日本語で頼んだほうが自然です。うまくいかないときは英語に変えるより、前提と出力の形を具体的にするほうが効果的です。

Q. 毎回同じような指示を打つのが面倒です。

よく使う頼み方は、メモ帳や単語登録に「型」として保存しておくと便利です。この記事の「頼み方テンプレ」をコピーして、案件ごとに中身を差し替えるだけでも、毎回ゼロから考える手間が消えます。

まとめ:頼み方が9割

Copilotの返答がイマイチなときは、たいていAIの実力ではなく頼み方に伸びしろがあります。

  • 「前提・目的・出力の形」を添えるだけで質が変わる
  • 相手・目的・トーン・長さ・入れてほしい要素の5点を意識する
  • 一度で完璧を狙わず、たたき台を会話で育てる
  • 数字・社外情報・機密の扱いは、頼み方ではカバーできない。人が確認する

まだCopilot自体に慣れていない方はCopilotの使い方・入門から、用途別の実践はCopilot活用ガイドからどうぞ。「なんか違う」が返ってきたら、まず頼み方に一言足してみてください。