会議が終わってからが本番、という地獄

会議そのものより、終わったあとの議事録づくりのほうが憂うつ。そんな事務職、わたしだけではないはずです。

走り書きのメモを見返しながら「これ、結局なにが決まったんだっけ」「あの件、担当は誰だっけ」と記憶をたどり、体裁を整えて清書する。1時間の会議で、議事録に30〜40分。正直、会議より長い日もありました。

これをAIに丸投げできないか——。ChatGPTとClaudeの両方に、同じ会議メモを要約させて比べてみました。

なお、録音・文字起こしから要約までの基本的な手順を一通り知りたい方は、先にAIで議事録を作成する手順(録音・文字起こし・要約)を読むと流れがつかめます。この記事は、その要約ステップをChatGPTとClaudeで比較検証したものです。

先に結論

「そのまま社内共有できる議事録」に仕上げたいならClaude、「自分用にざっと全体像をつかむ」だけならChatGPT でした。

清書にかかっていた30分は、AIに下書きさせて自分で5分手直しする、くらいまで縮みました。ただし固有名詞と数字の取り違えだけは毎回チェックが必要です。ここは後半でまとめます。

実際にやってみた

入力したのは、会議中にわたしが取った「生メモ」そのものです。きれいな文章ではありません。これを同じ指示で両方のAIに投げました。

ChatGPT の要約

実際のやりとりを再現(社名・氏名はサンプル)
あなた
以下は社内会議の走り書きメモです。決定事項とTODO(担当者・期限つき)に分けて、社内共有用の議事録に整えてください。

新オフィス移転の件。10月めど。総務田中/経理佐藤/情シス山本で進める。
見積3社。A社120万・B社98万・C社まだ。来週水曜までにC社出してもらう→田中
ネット回線、山本が手配。引越前に開通テスト必要。
什器は今のを流用、足りない分だけ追加。予算は佐藤が9月の稟議に乗せる。
次回は8/20 15:00〜、各自進捗持ち寄り。
AI(ChatGPT)
【決定事項】
・オフィス移転を10月めどに実施。総務・経理・情シスの3部署で推進。
・什器は既存品を流用し、不足分のみ追加購入。

【TODO】
・C社の見積取得(担当:田中/期限:来週水曜)
・ネット回線の手配と開通テスト(担当:山本)
・移転予算を9月の稟議に計上(担当:佐藤)

次回:8/20 15:00〜 各自進捗を持ち寄り

決定事項とTODOの仕分けがきれいで、パッと見て全体像がつかめます。ただA社120万・B社98万という見積金額が要約から丸ごと落ちました。「ざっくり把握」には十分 but 共有用としては情報が欠けます。

Claude の要約

同じメモと指示をClaudeにも(再現)
あなた
(同じメモと指示をそのまま貼り付け)
AI(Claude)
議事録:オフィス移転プロジェクト 第1回

決定事項
1. 移転時期は10月を目処とする。
2. 推進体制は総務(田中)・経理(佐藤)・情シス(山本)の3名。
3. 什器は既存品を流用し、不足分のみ追加調達する。
4. 見積はA社120万円・B社98万円を取得済み。C社は未提出。

TODO(担当・期限)
・C社の見積を取得する … 田中/〜来週水曜
・ネット回線を手配し、引越前に開通テストを行う … 山本
・移転予算を9月の稟議に計上する … 佐藤

次回会議:8月20日(水)15:00〜、各自が進捗を持ち寄る。

見積金額まで拾い、敬体で整っていて、ほぼそのまま共有メールに貼れるレベルでした。「〜する」と語尾をそろえてくるあたりも、手直しが要りません。

どちらがどう違ったか

観点ChatGPTClaude
仕分けの見やすさ◎ パッと把握できる○ 丁寧だがやや情報量多め
数字・固有名詞の拾い上げ△ 金額が落ちた◎ 見積金額まで拾う
日本語の自然さやや機械的自然、語尾もそろう
そのまま共有できるか手直し必要ほぼそのまま使える
向いている用途自分用のメモ・全体像把握社内共有用の正式な議事録

やってみて分かった注意点

ここが、何度か痛い目を見たうえでの本音です。

1. 固有名詞と数字は必ず突き合わせる。 一度、別の会議メモで「佐藤さん担当」を「斎藤さん」と微妙に変えて出されたことがありました。同音・似た名前は取り違えが起きます。金額や日付も、要約後に必ず元メモと照合しています。

2. メモにない情報を“補完”してくることがある。 特に文脈が薄いと、AIが「たぶんこういうことだろう」と気を利かせて、言っていない決定事項を足してくる場合があります。便利な反面、議事録では事故のもと。「メモに書かれていないことは推測で補わないで」と一文添えると、かなり減りました。

3. 社外秘・個人情報はそのまま貼らない。 取引先の見積金額や個人名を会社のルール外でAIに入れていいかは、職場の情報管理方針しだいです。わたしは社名を「A社」、人名をイニシャルに置き換えてから投げています。

そのまま使えるプロンプト

以下は社内会議の走り書きメモです。 ①決定事項 ②TODO(担当者・期限つき)③次回予定 の3つに分けて、社内共有用の議事録に整えてください。 ・敬体(です・ます/〜する)で語尾をそろえてください。 ・金額・日付・氏名はメモのとおり正確に。メモにない情報は推測で補わないでください。

【ここにメモを貼る】

よくある質問

Q. 社外秘の会議の内容をそのままAIに入れて大丈夫?

機密情報は注意が必要です。無料版は入力内容が学習に使われる可能性があるため、社名・個人名・金額などはぼかすか、学習にデータを使わない設定の法人向けプランを使うと安心です。一般的な社内定例なら過度に心配しなくても大丈夫ですが、社内ルールがあればそれに従ってください。

Q. 録音した音声をそのまま要約できる?

多くのAIはテキスト入力が前提です。まず自動文字起こしツールで音声をテキスト化し、その文字起こしを貼り付けて要約させる流れが基本になります。一部のツールは音声や動画に直接対応しています。

Q. 議事録の要約にはChatGPTとClaude、どちらが向いている?

共有用にきっちり仕上げるならClaude、自分用にざっと全体像をつかむならChatGPTが向いていました。迷ったら同じメモを両方に貼って、しっくりくる方を選ぶのが確実です。

まとめ

議事録の清書は、AIに任せていちばん効果を実感した業務のひとつでした。

  • 共有用にきっちり仕上げるならClaude。金額や担当・期限まで拾い、語尾もそろう。
  • 自分用にざっと把握するならChatGPT。仕分けが見やすく、全体像が一瞬でつかめる。
  • どちらを使っても、固有名詞と数字の最終チェックだけは人間の仕事

なお、議事録づくり以前に会議そのものの進行役に苦手意識があるなら、会議の進行役をAIに相談して進行メモを作る方法も同じ要領で下書きを任せられます。

30分かけていた清書が5分の手直しになっただけで、会議後のげんなり感がだいぶ消えました。同じように議事録に時間を溶かしている人は、一度ためしてみてください。

議事録の要約だけでなく、資料づくりや帳票などの書類仕事をAIで効率化する記事は、AI資料作成・議事録の完全ガイドに横断的にまとめてあります。